オレンブルグの戦勝記念日



 

 5月9日の戦勝記念日は、ロシアで最も盛大に祝われる祝日の一つです。この日については学生が詳しく書いてくれた記事がありますのでぜひお読みください。

 日本にとっての“終戦”記念日と戦勝国であるロシアにとっての“戦勝”記念日はだいぶ意味合いが異なっているため、初めてこの日をロシアで迎えたときのことは今でもよく覚えています。

 


 

 どの町でもそうですが、まず午前中(10時頃から)ソビエト会館の前で軍事パレードがあります。モスクワのもののように大規模なものではありませんが、オレンブルグでも退役軍人からボーイスカウトやガールスカウトの子供たちまで様々な人が参加します。胸にゲオルギー・リボンを付けロシア国旗を振る人々で通りは埋め尽くされます。

 パレード自体はそう長いものではありません。およそ15分強で終了した後は、町の人々はめいめい次の予定の場所へ向かいます。ウラル川沿いでピクニックを楽しむ人がいれば、戦勝記念通りでのコンサートやイベントに参加するために移動する人もいます。2017年は天気に恵まれなかったため、早々に帰宅し持ち寄りパーティーをすることになってしまいましたが……。

 


 

 また、夕方(午後6時半)からは「不滅の連隊」と呼ばれる行進が行われます。これは戦争に参加した、その時代を経験した縁者の写真を掲げた人々が長い列を作って上述の戦勝記念通りを歩くイベントです。40000人を超える人が30分以上に人が途切れることはなく歩き続けていく様は壮観です。

 



 

 その他に戦勝記念日のイベントで面白いものといえば、炊き出しや銃の解体・組み立てコーナーなどが挙げられるでしょう。

炊き出しでは大釜で炊かれた蕎麦の実と紅茶をもらうことができます。年にもよりますが戦勝記念日の頃はまだ寒さがぶり返すことが多いので温かい食事は本当にありがたいです。蕎麦は好きなのに蕎麦の実は長らく苦手だったのですが、このときに苦手意識が払拭されました。

 軍用車の展示も見ごたえがあります。子供たちが我先にとよじ登って遊んでいるのは危なくないのかと心配になりますが、それを言うのは無粋でしょう。大人たちも特に注意したり止めたりすることはなく、ニコニコ顔で写真を撮っています。

その傍らにあるのが銃の解体・組み立てを実際にやってみるコーナーです。小さな子供が大人に見守られてたどたどしくやっているのも何とも言えませんが、それまで幼いお子さんを追いかけて写真を撮っていたお父さんが娘さんにカメラを渡して手早く解体と組み立てを実演するのも見ていて不思議な気持ちになります。学生と訪れた際には私も見事な手際を披露してもらいました。

 



 

 墓地の前に建っている記念碑も、いつも以上にきれいに掃除されて数え切れないほどの花が供えられています。

オレンブルグでは「不滅の連隊」はちょうどこの碑のあたりから始まります。

 

 また、道端ではゲオルギー・リボンと呼ばれる飾り(学生の記事にて少々説明があります)やカーネーションの花などが売られています。私も記念に2つほど買いました。

 

 (M.K 2017)